Story
好奇心から飛び込んだIT業界 ~文系からSEへ~
2022年に大阪大学を卒業し、テクノプロジェクトに入社(入社2年目)
現在はヘルスケア分野のシステムの設計から開発までを行っている
文系の学部からSEになった川瀬さん。プログラミングは未経験だったため、入社前は不安だったという彼女は、現在では「経験者、未経験者はそれほど大きな違いではない」と語る。今回はその言葉の背景にある、川瀬さんのチャレンジし続けた入社1年目に注目していきます。
■人間科学とSEの共通点は「地域の課題解決」
――大学時代はどのような分野を専攻していましたか?
大学時代は人間科学を専攻していました。人間科学は、人や人を取り巻くあらゆるものに注目して、人間について分析する学問です。なので、SEとは全く関係のないことを学習していました。
人間科学の中でも私は、少子高齢化や過疎化が進んだ地域の活性化や魅力発信を研究していました。その過程でよくフィールドワークをしていて、様々な地域の人たちからその土地ならではの課題を聞いて、分析の対象にしていました。
――文系だった川瀬さんがSEに興味を持つようになった経緯を教えてください
もともと私は、“自分が作ったもので周りの人に喜んでもらう”ことにやりがいを感じる人間だったので、就職活動をやっていた頃は広告やメーカーなどといったものづくりのお仕事を幅広く見ていました。ただ、まだこの頃はシステムを自分の手で作り上げるという発想はなかったです(笑)
大学進学にあたって関西に出ましたが、就職活動を進めていくうちに地元の島根県にUターンしたいなという気持ちが芽生えてきました。そこで島根県の求人を見ていると、島根県では県全体をあげてITで地域を盛り上げようとしていることがわかりました。
大学での専攻もそうですが、地域の活性化にはもともと興味があったので、そこに自分も関われたら面白そうだな~と思いました。IT業界やSEに興味を持ったのはそれが初めてですね!
――そこからSEの魅力に気づいたのですね
はい!就職活動中にSEの存在を知ってからは、大学でのフィールドワークにも新しい視点を取り込めるようになりました。「地域の方から聞いたこの課題、もしかしたらITの力を使ったら解決に近づくのでは?」そう考え始めてからは、もうSEという職種への憧れは強くなっていくばかりでした。
地元島根の活性化に携われること、地域の課題をITの力で解決できるようになること、この2つがSEに惹かれた主な理由ですかね。
■「なんとかなるだろ」好奇心で飛び込んだら、新しい経験の連続
――未経験からSEになることに不安や心配はありませんでしたか?
最初は好奇心でいっぱいでしたが、入社が近づくにつれて不安な気持ちも少しずつ生まれてきました。ただ、研修が充実しているということは就活生時代から話を聞いていたので、「なんとかなるだろ」と心のどこかでは思っていました(笑)
今思えば好奇心だけで飛び込んだ感じが強いですかね。
――実際にSEの世界に飛び込んでみてどうでしたか?
入社してからの3か月の研修期間で、プログラミングやシステム開発の基礎などを0からじっくりと学ぶことができたので、初心者の私でも配属時にはある程度の知識を身に付けることができました。
――ヘルスケア分野の部署に配属されてもうすぐ1年が経ちますが、これまでどのようなお仕事をされてきましたか?
医療系のシステムがメインで、具体的には電子カルテとその周辺機能の開発に携わっていることが多いです。
私が配属されてすぐのお話ですが、先輩社員が担当していた医療機器会社のプロジェクトにすぐに加入することになりました。そのプロジェクトではお客様を交えた会議に毎週参加させてもらい、議事録を取りながら直接やり取りをしている先輩社員の姿を見て様々なことを学ばせていただきました。さらには、システム開発の上流工程である要件定義や画面設計などにも実際に携わることまでできました。
――初めてのお客様との会議はどうでしたか?
最初はすごく緊張しました(笑)「こんなにすぐにお客様と関わる機会があるんだ!さっそく仕事っぽいな~」と思いました。それまでの研修は座学が多かったので、いきなりの実践で驚きましたが、そこで初めて自分がSEになったんだなという実感も湧いて嬉しくなりました。
そのプロジェクト以降はプログラミングやテストも順次行っていきました。配属直後から教育の一環としていろいろな経験をさせてもらい、最終的にプロジェクトの工程に携わることができたので、非常に勉強になることが多い1年でした。
■困ったらすぐに周りに頼れる職場環境に感謝
――挫折しそうになったことはありますか?
はい、あります、もう困難の連続です(笑)
よく挫けそうになるのは、プログラミングの過程でエラーが頻発して、1日がエラー対処だけで終わってしまうようなときですね。エラーの原因を突き止めるために、周りのいろいろな人に聞いて助けてもらったり、自分でインターネットを使って調べたりしています。
挫折しそうになるたびに周りの方に助けてもらって、なんとか乗り越えています。周りが優しい人たちばかりで、困ったらすぐに何か聞ける環境で仕事ができていることに、本当に感謝しています。
――川瀬さんが特に相談をすることが多いのは誰ですか?
やっぱり同期ですかね。同じ部署の同期はもちろん、部署や拠点が違う同期ともよく仕事の話をしています。お昼休みにリフレッシュルームで少し話すだけでも、気分が楽になって前向きな気持ちになれます。同期は一番身近ですし、お互いに支えあっている実感はあります。同期は大事な存在だと思いますよ。
あとは、同じプロジェクトのリーダーにもよく頼っていますね。年齢は10歳ほど離れていますが、すごく話しかけやすくて、困ったことがあったらすぐに聞くようにしています。
■“自分が作ったもので周りの人に喜んでもらう”という自己テーマの追及
――今後のビジョンは何かありますか?
自分の与えられた仕事をこなすのはもちろんですが、“自分が作ったもので周りの人に喜んでもらう”という自分のテーマをもう少し追及していきたいと考えています。自分の裁量でいろいろなことを考えたり決定したりできるくらいには、技術を磨きたいと思いますね。
――ビジョン実現に向けて、何か取り組まれていることはありますか?
私のビジョンは自分一人では実現できないからこそ、普段の仕事において、チームで進めるという意識を強く持っています。最近ではプロジェクトの管理に近いような業務も少しずつやらせてもらっています。スケジュールの見積もりやプロジェクトメンバーへの仕事の依頼など、わからないことはたくさんありますが、実践を交えながら学習しています。プロジェクトマネジメントがもう少しできるようになると、“自分の手で作り上げる”技術が身につくと考えています。
――川瀬さんにとって「(生きるを良くする)技術欲」とは何ですか?
会社の仕事や自己学習などで得た新しい技術・知識を、地域や自分の周りの人たちに何かしらのシステムなどを生み出すことで還元していくことですかね。テクノプロジェクトは島根の中でも企業規模が大きいので、その分地域に対する影響力も大きくなると思いますし、そこがやりがいでもあります。
■「文系理系関係なく、SEって本当に魅力的なお仕事」
――これからSEを目指す文系学生に何かメッセージをお願いします
スタート時点においては、確かに経験者、未経験者の間には学習時間相応の差はあります。ただ、だからといって未経験者に活躍の機会がないかと言われたらそんなことは全くありません。実際に、私の同期に文系出身で入社1年目に基本情報技術者の資格を取得して、今は応用情報技術者に挑戦している人がいます。その人が資格の面では進んでいる同期のうちの一人です。同じ部署にも文系出身でバリバリ働いている先輩社員がいて、その方は私のお手本のような存在です。
私も同期と一緒に「いろいろなことにチャレンジしていこう」という話をしていて、実際に地域の若手エンジニアが集まるコミュニティに参加して、社外の人と開発をすることもあります。
重要なのは「入社してからどれだけ熱心に取り組めるか」だと思います。忍耐力や精神的な強さも必要な仕事だなと痛感することもありますが、これまでの人生の中で何かしら頑張って取り組んだと自負できるような経験が何かあれば、問題なくSEとしてやっていけると思います。文系理系は関係なく、SEって本当に魅力的なお仕事だなと私は心から思います。