Story
長年磨き抜かれた技術力これからの社会に不可欠な医療を島根から支える
2011年にテクノプロジェクトに中途入社(入社13年目)
病院や診療所に通う患者向けのスマホアプリの開発・保守を行っている
テクノプロジェクトの医療チームの中でも比較的多くのプロジェクトメンバーを抱える鬼頭さん。そんな鬼頭さんに、医療分野のやりがいやテクノプロジェクトの技術力、リーダーとして意識していることなどを聞いてみました。
■多様なチームメンバーで開発する外来患者向けアプリ
――現在の業務内容を教えてください
富士通が販売している外来患者向けのスマホアプリの開発・保守を行っており、その中で私はプロジェクトのリーダーを務めています。プロジェクトの体制は、日本人が11名(島根10名・東京1名)、中国人が5名の計16名で、会社、拠点、国籍もバラバラです。中国人のメンバーとは、オンラインで打ち合わせや会議などのやりとりをしています。規模に関して言えば、おそらくヘルスケアの部署の中でもかなり大きなチームですね。
――そんな作業体制で作っているアプリとは、一体どのようなものですか?
病院や診療所に通う患者をあらゆるシーンで支えてくれるアプリです。例えば、予約前日に予約の確認や当日の注意事項を通知してくれたり、行列に並ばなくても受付機の近くを通るだけで受付を済ませたりできます。コロナ禍においては、診察の待ち時間の状況を知らせる機能は非常に大活躍しましたね。クレジットカードを事前に登録しておけばスマホで会計の後払いができる機能もあるため、患者の予約・診療・会計までを一貫してサポートすることができます。
――鬼頭さんはいつからこのプロジェクトを担当されていますか?
3年前の2020年頃からです。ちょうどこのプロジェクトに参画し始めたタイミングで、私はリーダー職に任命されました。
元々はアプリの1機能だけをテクノプロジェクトが任されていました。そこから部長やマネージャーが案件の拡大に向けて動いたり、我々が高い品質で成果を出したりした結果、現在ではアプリのほぼすべての機能をテクノプロジェクトが担当することになりました。テクノプロジェクトのアウトプット(=成果)を他の会社と比較したときに、「テクノプロジェクトに任せよう」という流れになったのではないかと私は思っています。
■医療分野におけるテクノプロジェクトの優れた実績と高い技術力
――テクノプロジェクトがそこまで信頼されているのはなぜですか?
島根県立中央病院において日本で初めて電子カルテを導入した時から、長い年月をかけて磨いてきた技術力を評価してもらっているからだと思います。
今までは病院の基幹システムである電子カルテを売るだけで良かったのですが、競合他社が増えてきたので、電子カルテに付加価値をつける必要がでてきました。その付加価値にあたるのが、今我々が開発しているアプリの機能というわけです。電子カルテのデータとアプリを連携する必要があるため、スマホアプリを作る技術だけではなく、電子カルテの仕組みも知っている必要があります。テクノプロジェクトはその仕組みを深層まで知っており、それが他社にはない強みになっています。
――鬼頭さんはずっと医療分野で働いてきましたか?
テクノプロジェクトに中途入社してからは、医療一筋ですね。最初は電子カルテのプロジェクトに携わっており、医師の診察結果や日々の看護記録などカルテに蓄積された様々な記録を大量に印刷できる機能の開発をしていました。富士通に依頼されたプロジェクトで、本来は開発と導入で役割が分かれていたのですが、高い品質のまま導入するために、開発元としてスキルの高いテクノプロジェクトに導入まで任せてもらうことになりました。ここでもテクノプロジェクトのスキルを富士通に信頼されていたので、純粋に嬉しかったですね。導入やセットアップ作業では46都道府県に行くなど、全国の病院を飛び回っていました。
■これからの高齢化社会において、自分の仕事が社会に与える影響はますます大きくなる
――テクノプロジェクトの医療チームで働くやりがいはなんですか?
医療分野のやりがいは、大規模な仕事ができることだと思っています。2025年には5人に1人が後期高齢者という超高齢化社会が待っています。社会保障費や医療費が膨れ上がるので、病気やケガを防ぐ患者中心の医療がますます求められます。私たちはその中でITという手段を活用して課題解決に貢献することができます。それを富士通という日本のトップランナー企業とともに行うわけですが、受け身の姿勢ではなく、一緒に構想段階から主体的に仕事を考えていくことができます。自分が社会に与える影響も大きくなるので、そこが魅力的ですね。
ただ働くやりがいに関連して言えば、私は仕事が常に楽しいと思っています。
――そこまで仕事が楽しいと思わせるものは一体何ですか?
一緒に仕事をするのが楽しいと思える仲間がいるからですかね。
「こういった仕事をしているから楽しい」というように仕事が先にくるのではなく、
「こういう人と仕事をしているから楽しい、この人たちとならどんなに辛いことでも忘れてしまう」というのが私の感覚です。考え方のアプローチが少し他の人と違うのかもしれません。結果論かもしれませんが、私の周りの人たちが良かったからこそ、ここまで仕事を頑張ってこられたと思っています。今はリーダーという立場なので、チームの中では和気藹々とフランクに話せる関係性を構築できるように心がけています。
――他にはリーダーとしてどのようなことを意識していますか?
とにかく定期的に接点を持つことですね。1on1の面談を1~2週間に1回ぐらいのペースで行っています。10人以上もメンバーがいると、当然人それぞれ性格が違うので、声をかけるタイミングやどのように声をかけるかという判断が難しいです。面談をしなくても話す人もいれば、仕事中は集中して黙々とやる人も多いです。そういった人たちが普段何を思っているのかを引き出すために、面談の場では雑談や趣味の話もたくさんします。その延長線上で相手が何かしら話すことができたらその人もスッキリすると思うので、そのようにしてストレスを貯めさせないようにしています。そして要望に対しては改善する努力を見せることで、信頼関係を築くようにしています。
■誰かを喜ばせるために自分たちの技術力を磨き続ける
――今後の目標は何かありますか?
特にないですね(笑)
ITに限った話ではないですが、仕事は「誰かを喜ばせてその対価としてお金を受け取ること」だと私は考えています。自分が動くことで誰かを喜ばせることができるなら、別に今のままでもいいと思っています。もちろん役職が上がれば影響力も大きくなるので、その仕事によって喜んでもらえる人の数が増えることはあると思いますが、すごく昇進欲があるわけではないですね。
患者向けアプリにしても、たまに利用者からのアンケートを見せてもらいますが、「病院に通うのが楽になって助かる」「病院内で快適に過ごせるので感謝している」といった好評の声が書かれていると、それが次の仕事を頑張るモチベーションになります。
――鬼頭さんにとって「(生きるを良くする)技術欲」とは何ですか?
生きるを良くするというのはつまり、誰かを喜ばせることだと私は解釈しています。そして先ほども「仕事は誰かを喜ばせること」だと言いましたが、私たちはその手段としてITを駆使しています。そしてより多くの人を喜ばせるためには、そのIT技術を磨いていかなければなりません。その志を持ち続けることが「生きるを良くする技術欲」だと私は考えています。